第二部

現代の出発点になったのが明治維新である。その成立は、志士の尊皇攘夷運動と直線的にはつながらない。それを超えた若い政治家たちがもたらした。尊皇を謳いながら朝廷を解体するというアクロバットを一瞬で成し遂げ、彼らはきわめて過激な近代化を推し進めた。

目次

2-1  複雑な政治過程をあえて単純化

2-2  徳川慶喜の動きを読む

2-3  島津久光vs徳川慶喜vs西郷隆盛

2-4  薩長盟約とは何だったのか

2-5  身分廃止という維新の「偉業」

2-6  近代天皇制への変貌

2-7  アジア軽視の落とし穴

2-8  海外渡航禁止の「負の遺産」

2-9  小御所会議のマキャベリズム

2-10 国学がエネルギーを与えた

2-11 富国強兵の呪縛

2-12 異形の明治国家

2-13 満州事変という分岐点

2-14 太平洋戦争――明治国家の着地点か――

2-15 夏目漱石が読まれ続けた理由

2-16 会津戦争――武士の組織原理の終焉

2-17 攘夷とは何だったのか

2-18 復古維新――夢破れた公家たち

2-19 「昭和維新」をどう読むか