第三部

鎌倉時代は古代と中世の中間的な性格を持っている。朝廷と鎌倉幕府という二つの「政権」が存在した。一方は公領、他方は荘園を存在基盤としたが、いずれも多くは武士が徴税を担っていた。鎌倉時代は荘園公領の共存体制が完成し、崩壊へ向かう分水嶺をなしていた。

 

目次

3-1 武士が天皇に反撃するなんて

3-2 荘園の徴税システムを押さえた

3-3 「愚管抄」――古代思想の挽歌

3-4 武士「勝ち組」の共通点

3-5 変遷する「兵(つわもの)の道」

3-6 主流の権門体制論

3-7  法の執行のため主従制が普及

3-8 「護良親王」を読み解く

3-9 主従制は内部幕府から崩れた

3-10 寒冷の戦国時代に主従制の「再編」

3-11 秀吉が全国掌握――貫徹した主従制――

3-12 長い江戸時代――吉宗の改造――

3-13 室町時代――足利義満の誤算――

3-14 鎌倉幕府の「欠点」

3-15「組織原理」再考――自治、共存の伝統

3-16 鎌倉幕府(1)――頼朝は誰と戦ったのか

3-17 鎌倉幕府(2)――武家の「自立」原理